ウイルス学としてインフルエンザや風邪から見た葛根湯と漢方薬の効果について紹介します。
ウイルス学から見た葛根湯と漢方薬の効果 その2
インフルエンザに感染したり、C 型肝炎治療にインターフェロンを投与したりすると、「発熱」が起こる。
まず発熱に敏感なマウスにインフルエンザを感染させたら薬剤非投与群はみんな死んでしまうが、葛根湯を投与したものは生存若しくは生存期間の延長が認められた。
死因は肺炎なので、肺炎の程度を比較したら、葛根湯非投与群は重く、葛根湯投与群は肺炎が軽症で済むことが分かった。しかし肺の中のウイルス量に有意差は認められない。
つまり葛根湯は肺炎を軽症化するが、メカニズムとしてはウイルスの抗増殖作用ではなく、生体防御反応の活性化によることがこちらでも予測された。
インフルエンザに対する葛根湯とアスピリンの違いは、両者とも解熱効果はあるものの、葛根湯では感染前・解熱後で IL-1αという数値を上昇させないことが明らかになった。
ここにおいて葛根湯は何故風邪に使用されるのかが解析された。葛根湯はIL-1α を抑え、過剰反応をも抑えることから、過剰に反応する実証のヒトに投与するのが良く、反応性の弱い虚証のヒトでは、反応を抑える薬は不適当なことがわかる。
また、葛根湯は急性期に使うべきで、亜急性期や慢性期に入ったら、消炎するより、炎症を軽く誘発させて早く回復させる方が良いことが分かる。
これらの結果から実証の患者が葛根湯を服用することは、ウイルス学的に見て適切だったという結果が出ている。