葛根湯漢方についての紹介として、最初に漢方医学の傾向について現代医学との比較を交えて紹介します。

漢方医学の傾向

漢方とは一般的に即効性が無いと言われているが、実は即効性があることが漢方の真の優れた特性であり、それはあまり知られていない。

大きくわけて漢方医学の概念には「未病を治す」という予防的要素があり、この概念は漢方医学とその他の医学の相違点を明確に突いている。そして現代の医療に漢方医学のこの概念は大きく取り入れられている。

中国発祥の漢方医学が日本に伝来して1300年ほど経ち、その間に漢方について日本独自の解釈・研究がなされ、特有の漢方医学の進化過程を遂げてきた。医学はいつの時代も完全なる満足を得ることはない。

近年における数々の深刻な薬禍・薬害の発生に対する合成医薬品への不信感の増加、慢性病に対する漢方薬治療の成果や、国民の健康への関心の高まりなどから漢方や天然薬物への関心が高まってきている。

現在臨床医、薬学者をはじめとする多くの研究者により生薬・漢方薬についての研究が積極的に行なわれている。その成果によってこれまでは伝承として伝わっていた漢方の薬効が、近代的な科学による解明として実証されてきている。

そして現代医学と漢方医学の根本の考え方の相違は互いに足りない要素を補完しあっていると言える。

現代医学の「薬」と漢方医学における「漢方薬」。この二つは全く性質も用途も異なるが、相互にうまく使用されることによって、より良い医学の進歩を助長するだろう。

1976年に漢方薬が健康保険で使用できるようになって以来、医療の現場で使用される漢方薬の量と数は増加傾向にあり、漢方の需要と可能性は今後ますます広がっていくことが見込まれる。